statement
私にとって絵とは、外から守られた完全な場所です。
こことは別のもう一つのそこにとどまりつづける場所。
見ることのうちでその向こう側に触れられる場所。
私は自分が目にした場所をそのときの印象のまま、対峙できる大きさで描きます。
でもそれは再現ではありません。
絵は描くことを通じてその隅々を意識化させ、描き手を離れて個々のまなざしを存在させます。
それらひとつひとつはどこかを見つめているかのようであり、そうして徐々に全体でひとつのまなざしになっていきます。
描き手のものでも、見る側のものでもないまなざしに。
そうしてその方向性、予感に、居心地よくみずからをゆだねられ、そこにとどまることができるのです。
遮断や隔たりがもたらす見えない向こう側も含め、そこに消え入ることのない空間を感じます。
3 Jury 2021
